「ダービーは特別。死ぬ気で戦いたい」というセリフは、
もはや試合前の選手のコメントとしては常套句となりつつある。
確かに大阪ダービーは選手にとってもクラブにとってもサポにとっても、
何物にも代えがたい尊い存在であって、
いついかなる状況においても勝利だけが求められる。
普段以上に集中し、ハードワークし、球際で戦い、勝利への執念を燃やす。
それがダービー必勝法。

>2018年4月21日■J1リーグ第9節
ガンバ大阪1-0セレッソ大阪

しかし、それじゃ大阪ダービーしか勝てないよという空虚な思いが胸中を支配している。
確かにこの試合の各選手の戦いぶりは素晴らしかった。
若手もベテランも一丸となって、
走って、ぶつかって、多少は姑息な手も使いながら、
とにかく結果を追い求める姿は勝利にふさわしいものだった。

でも、この勝ち方って特別な試合だからこそ可能なものであって、
毎試合こういうわけにはいかんでしょ?
どうせ次の試合はシレーっと入って開始5分とかに失点するんじゃないの???

メンタル面の充実以外にポジれる要素があまりにも少なかったせいで、
継続して好結果を得られる手応えのようなものがつかめないでいる。


恥ずかしながら今季の試合をフルタイムで見るのはこれが初めて。
なるほど攻守の随所にチグハグな面が多く見られ、
これは下位に低迷するのも納得ですわ。

相手がことごとく好機をフイにしてくれたおかげで事なきを得たものの、
自陣でのボール運びがチグハグで、
何度も危ない形でのボールロストから冷や汗をかいた。
攻められている際も、ボールホルダーへのチェックが曖昧で、
極めてストレスフリーにパスを回されズルズルとラインが下がってしまう場面が何度もあった。

また、今季のテーマである「攻撃的サッカーの奪還」は道半ばどころか志向すらうかがえず、
結局チャンスはショートカウンターが契機となるものがほとんどで、
「なるほど今はまだうまくいってないけどこういうことがやりたいんやな」という片鱗が見えず。
運ぶ倉田、走る藤春がターゲットマンめがけて放り込むスタイルは、
これは昨年までイヤというほど見せられたパターンである。

このままでは、「ダービーブースト」のかからん試合ではしんどいんやろなあというのが率直な感想。
「この勝利で乗っていける」とかも考えるだけバカバカしい。
一刻も早く、やりたいことを形にしなければいつまで経っても降格圏である。